2012年3月27日火曜日

先頃行われた将棋の第2期マイナビ女子オープン五番勝負の第1局について質問です。

先頃行われた将棋の第2期マイナビ女子オープン五番勝負の第1局について質問です。

先手の岩根忍女流二段は77手目に▲2五歩と突いて2筋から後手陣を攻めていきましたが、ここで▲1八香とする手はなかったのでしょうか。



これで本譜のように飛車を追われた時、手順に▲1九飛と逃げられます。

1八香・1九飛の形を作っておけば、後手は端玉の形でもあり、将来どこかで突くであろう▲1四歩がかなり厳しい一手になると思ったのですが。

本譜は飛車が最後まで働かなかったのが惜しまれます。

下の図面は76手目△7七角成までの局面です。何が最善なのか難しい所ですが、興味のある方は考えてみて下さい。


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私はもとプロですが、この局面はいい勝負のように思います。

私なら先手持ちで、18香と指します。以降

78と、19飛、88飛成・・・でしょう。先手は46銀と歩を払い

91馬として玉頭攻めがあります。後手からは88飛成から98龍

68と58とですが、47金と上がったときに意外とヨリがないように

思うからです。



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18香は狙いが19飛車と回る手しかありません。

19飛車と回ったところで結局は25歩と突くのが一番厳しい1手になるので18香は1手パスのようなものです。

14歩と突くのが厳しい1手に見えるかもしれませんが実際は逆に有り難い。14歩・同歩の後の継続手が結局25歩しかありません。14同香は喜んで同銀と取られて、以下同飛・13香で逆に後手が攻めやすくなるし安心できます。

もちろん18香も次善手くらい有力だと思いますが、最善は本譜の25歩です。


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先手としては手番と持駒を生かしたいです。14歩、同歩、25歩、同歩、13歩、同桂、16桂として攻めてみたいです。78となら29飛88飛成り、26歩、25桂から桂交換後24桂からの継ぎ桂攻めが主眼です。

26歩が廻り桂交換が実現すれば先手望みがあるでしょうし、37ー46のルートで入王も可能で、先手の73馬、55銀が生き返ります。後手は途中王頭だけに素直に応じてくるでしょうし、先手勝の可能性は25歩より高いと思います。


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▲1八香も有力ですが先手難局だと思います。

この局面は後手にばかり好材料があり、先手の主張は持ち歩と手番ぐらい。

それでさほど有効な持ち歩の使い方も手番の使い方も無いのだから先手不利は歴然かなと。

1.後手に「と金」ができている。

2.飛車の活用が難しく、追われそう

3.△4六歩の拠点が嫌味。

4.後手陣にはまだ金銀4枚の守りがある

5.7七の馬も遠く後手陣に利いている

6.後手の方針は明快なのに対し先手は難しい

7.銀が質で馬が不自由

▲1八香は飛車を1筋で使う構想なのだが、2枚の銀の守りも強力なのでどうだろうか。

▲1八香▲1九飛▲2五歩△同歩▲1四歩△同歩▲2五桂△2四歩▲1三歩△同桂▲同桂成△同銀

▲1四香△同銀右▲2六桂となれば攻めが続きそうで面白い。でも△2四歩で△2六歩と一発叩かれる手が気になります。まあ確かに1筋で使う構想はあったかと思います。本譜は2筋で使う構想でしたが銀冠が反って仇となった感もあります。1筋2筋どちらが良かったのか分からない。最初の局面は先手不利かと思ったけど、案外そうでもなくて結構形勢は難しいところだったのかも知れませんね。

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